国語研の先生たちによる音読本が出版されました。柏野和佳子 准教授(音声言語研究領域),西原志保 プロジェクト非常勤研究員(広報コミュニケーター),平本智弥さん(音声言語研究領域),間淵洋子 特任助教(言語変化研究領域)の4名が著者となり,ことばのリズムやテンポが楽しい作品,日本語の美しさに魅せられる作品を中心に選定しました。
取り上げられた作品の一編は短いながらも,読んでいると情景が浮かんできます。動物や植物が登場するもの,弥次喜多道中,津田梅子の卒業式式辞,日本国憲法の前文,国語辞典編者の文章など,類書にないセレクションも魅力です。
著者 | 柏野和佳子,西原志保,平本智弥,間淵洋子 監修 : 古賀良彦 |
出版社 | PHP研究所 (出版社の詳細ページへ) |
出版年月日 | 2019年10月4日 |
ISBNコード | ISBN 978-4-569-84508-1 |
価格 | 1,300円+税 |
今,脳を活性化するトレーニングとして注目されているのが,「音読」です。人間の脳の中でいちばん大きな部分を占めており,思考や創造,運動を司るのが,前頭葉。脳の司令塔と言われています。
「第1章 情景を思い描く音読」「第2章 言葉のリズムやテンポを楽しむ音読」「第3章 日本語の美しさを味わう音読」など,本書で取り上げた56編の作品は,1編見開き約1分で読み終わるように,紹介されています。古典から現代文まで,さまざまなジャンルを扱っているので,毎日飽きずに読み続けられます。黙読と違って,声に出して読むことで,高い音域と低い音域を使い分け抑揚をつけたり,息継ぎやテンポを変えて読むなど,様々な楽しみ方ができます。
音読をすることは,働きが衰えてきた前頭葉を活性化できるだけではなく,言葉の力が磨かれ,人生を豊かにすることにもつながります。まずは好きな作品を選んで,少しずつ始められることをお奨めします。