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2019.11.15 2019年11月15日 書籍

書籍紹介 『前頭葉を刺激! 50歳からの1分音読でボケない脳になる』

国語研の先生たちによる音読本が出版されました。柏野和佳子 准教授(音声言語研究領域)、西原志保 プロジェクト非常勤研究員(広報コミュニケーター)、平本智弥さん(音声言語研究領域)、間淵洋子 特任助教(言語変化研究領域)の4名が著者となり、ことばのリズムやテンポが楽しい作品、日本語の美しさに魅せられる作品を中心に選定しました。

取り上げられた作品の一編は短いながらも、読んでいると情景が浮かんできます。動物や植物が登場するもの、弥次喜多道中、津田梅子の卒業式式辞、日本国憲法の前文、国語辞典編者の文章など、類書にないセレクションも魅力です。

書影『前頭葉を刺激! 50歳からの1分音読でボケない脳になる』

著者 柏野和佳子、西原志保、平本智弥、間淵洋子
監修 : 古賀良彦
出版社 PHP研究所 (出版社の詳細ページへ
出版年月日 2019年10月4日
ISBNコード ISBN 978-4-569-84508-1
価格 1,300円+税

出版社の紹介文より

今、脳を活性化するトレーニングとして注目されているのが、「音読」です。人間の脳の中でいちばん大きな部分を占めており、思考や創造、運動を司るのが、前頭葉。脳の司令塔と言われています。

「第1章 情景を思い描く音読」「第2章 言葉のリズムやテンポを楽しむ音読」「第3章 日本語の美しさを味わう音読」など、本書で取り上げた56編の作品は、1編見開き約1分で読み終わるように、紹介されています。古典から現代文まで、さまざまなジャンルを扱っているので、毎日飽きずに読み続けられます。黙読と違って、声に出して読むことで、高い音域と低い音域を使い分け抑揚をつけたり、息継ぎやテンポを変えて読むなど、様々な楽しみ方ができます。

音読をすることは、働きが衰えてきた前頭葉を活性化できるだけではなく、言葉の力が磨かれ、人生を豊かにすることにもつながります。まずは好きな作品を選んで、少しずつ始められることをお奨めします。

柏野和佳子
KASHINO Wakako
かしの わかこ●国立国語研究所 音声言語研究領域 准教授。
博士(学術)。辞書記述、日常会話を研究。『岩波 国語辞典』『広辞苑』(以上、岩波書店)『新レインボー小学国語辞典』(学研プラス)の改訂に携わる。
西原志保
NISHIHARA Shiho
にしはら しほ●国立国語研究所 広報室 プロジェクト非常勤研究員。共愛学園前橋国際大学 非常勤講師。
博士(文学)。専門は日本文学。『源氏物語』から近現代小説まで、少女、人形、動物などをテーマに考察する。著書に『「源氏物語」女三の宮の<内面>』(新典社)。
平本智弥
HIRAMOTO Chiya
ひらもと ちや●国立国語研究所 音声言語研究領域 所属。
辞書記述を研究。『広辞苑』『岩波国語辞典』(以上、岩波書店)など、各種辞事典の執筆・校閲・編集協力多数。著書に『10分でわかる!四字熟語』『よんだ100人の気持ちがよくわかる!百人一首』(以上、実業之日本社)など。
間淵洋子
MABUCHI Yoko
まぶち ようこ●国立国語研究所 言語変化研究領域 特任助教。人間文化研究機構総合人間文化研究推進センター研究員。
博士(国際日本学)。国語研のコーパス構築に多く携わり、コーパスを用いた日本語研究を行う。近年は、明治・大正期の漢語・外来語の表記やルビについて研究を進めている。