Vol. 1 (創刊号 2017年3月発行)
1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震と、私たちはこの20年間に大きな地震を3度経験しました。台風による被害や大雨による被害もたくさん起きています。災害もさることながら、地域が抱えるもっと大きな問題は、人口の減少による地域の疲弊です。このような地域の問題に対して、言語の研究はどう向き合えばいいのでしょうか。
私たちが行っているのは、ことばを通して地域を元気にしようという試みです。地域の人はみな、方言を誇りに思っています。そのような人たちと一緒に方言辞典を作ったり、録音をとったり、子どもたちに方言を教えたりして、地域文化の価値を再確認しています。
(木部 暢子/言語変異研究領域 教授)