ことばの波止場

Vol. 1 (創刊号 2017年3月発行)

ネットワーク型基幹研究プロジェクト : 北米における日本関連在外資料調査研究・活用

言語生活史研究に基づいた近現代の在外資料論の構築

19世紀終わりからハワイを始めとする南北アメリカに渡った人たちが日本から持ち出した資料、現地の生活で生み出された資料がたくさんあります。その多くは未整理のままです。特に日本語で作成された資料や歴史記述のために収集された録音資料や映像資料の多くは、何もなされていないまま保管されています。

本プロジェクトは、それらの未整理の資料を発掘し、デジタル変換を施した上で保管、整備し、それを研究するとともに博物館での企画展示を行うことを目的としています。

資料と一言でいってもその量は膨大なものなので、現地の日系史ではあまり取り上げられなかったテーマ(労働運動、MIS、写真花嫁など)に関連する資料を言語学、歴史学、女性学、民俗学の研究者とともに研究しています。

(朝日 祥之/言語変異研究領域 准教授)