ことばの波止場

Vol. 8 (2020年9月発行)

編集後記

今年は、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、日常生活の不安や不自由さだけではなく、社会、経済、文化、教育など、多方面に影響が出ています。多くのお祭りやイベントが中止・延期になりましたが、国語研究所でも、毎年恒例の「ニホンゴ探検」や「オープンハウス」の開催形態が変更になり、関心を持ってくださるみなさんに国語研究所に来ていただくことができなくなってしまいました(webでは公開していますので、どうぞご覧ください。
「ニホンゴ探検2020」https://www.ninjal.ac.jp/event/young/tanken/ninjal2020summer/、「国立国語研究所オープンハウス2020」https://www2.ninjal.ac.jp/openhouse/2020/)。

また、研究の面でも、フィールドワークのために現地を訪れたり、話者の方々に直接お目にかかってことばを教えてもらったりすることが難しい状況になっています。これは研究者だけではなく、学生の方々にとっても同じで、卒業論文などが思うように進まなくて困っている人も少なくないと聞いています。

このようにたいへんな社会状況ではありますが、今後、明るい未来に向かうことを祈って、今号の表紙は、日の出の写真にしてみました。上の写真は、国語研究所から見える朝日の写真です。下の写真は、同じ場所からの昼間の風景です。国語研究所の最寄駅の多摩都市モノレールの高松駅と、4両編成のモノレールが見えています。

今回の特集では、「統語コーパス」プロジェクトと「学習者のコミュニケーション」プロジェクト、ふたつの基幹プロジェクトを紹介しました。これらのプロジェクトで扱われている「統語コーパス」「学習者コーパス」など、蓄積されてきた言語資源をうまく研究に活用して、現在の制限のある状況を乗り切るのもひとつの方法かもしれません。

(井上文子)

国語研 ことばの波止場 vol.8

2020年9月30日発行
編集 : 国立国語研究所研究情報誌編集委員会
(柏野和佳子(委員長)、井上文子、小木曽智信、福永由佳、横山詔一、松本曜)
発行 : 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立国語研究所
〒190-8561 東京都立川市緑町10-2
電話 : 0570-08-8595(ナビダイヤル)
協力 : くろしお出版
デザイン : 黒岩二三[Fomalhaut]

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