国立国語研究所では、小・中学生が「ことばっておもしろい」と感じてくれるよ うなプログラムを実施しています。学校や、児童館、学習館等へ出向いての出前授業を行っています。今年度実施された 3回の出前授業の様子を紹介します。
2019年12月18日、横須賀市立明浜小学校 ことばの教室(神奈川県横須賀市)で、国立国語研究所の NINJALジュニアプログラム『つくってあそんで 辞書カルタ ことば博士になろう』が実施されました。
「ことばの教室」は、ことばや聞こえに課題のあるお子さんたちの通級クラスです。このプログラムは、年三回開催されているイベント「楽しい会」の枠組みの中で、楽しく遊びながらことばについて学べるワークショップをしてほしいとの要請を受けて企画したもので、当日は保護者が見守る中、小学二年生から六年生の児童15人が参加しました。
柏野和佳子 准教授(音声言語研究領域)が講師となり、プログラムの前半はことばの並べ替えクイズやワークシートを通して楽しみながら国語辞典の引き方を学べる「辞書引き体験」を、後半は辞書を利用して自分の好きなことばをカードにする「オリジナルカルタづくり体験」を行いました。こどもたちは熱心に辞書を引いてことばの意味を調べたり、夢中になってカルタ取りをしたりと楽しんでおり、「ことば」や辞書について学べる良い機会となりました。
参加した児童からは「いろんなことばがでてきて楽しかった」「かるたをつくるのが楽しかった」などの感想が寄せられました。
2019年6月19日、水俣市立水俣第一小学校(熊本県水俣市)で、NINJALジュニアプログラム『めざせ! 辞書引きの達人!』が実施されました。この授業は熊本県義務教育課からの依頼を受けて国語研が企画・実施したもので、小学六年生 3クラスの児童を対象に、柏野和佳子 准教授が講師を務めました。
敢えて辞書を使わずに語釈(意味の説明文)を自分で作成する「国語辞典に挑戦!」や、一つのことばについて様々な辞書を引き比べ、いくつ意味が掲載されているかを調べる「辞書引き競争」など、辞書とことばについて様々な角度から学ぶ授業となりました。
参加した児童からは「昔と今では、意味は同じでも、言い方がちがったり、同じことばでも意味がちがったりして面白かった」、「もっと国語辞典をひいて、新しい発見をしてみたい」などの感想が寄せられました。
2019年5月30日、府中市立府中第二中学校(東京都府中市)で出前授業『語彙力がつく! 辞書の活用』が実施されました。昨年度に引き続き、同中学から「語彙力をつけることで、今後の中学生活を新入生がスムーズに送れるようにしたい」との希望があり、実現したものです。柏野和佳子 准教授が講師となって、一年生 5クラスの生徒が参加しました。
「国語辞典に挑戦!」や「辞書引き競争」などのワークショップ問題には生徒それぞれが考えた回答が披露され、活気のある授業となりました。生徒からは「ほかの人の辞書とは、意味の数がちがったりしているのも楽しかった(びっくりした)」、「少し気になることばは辞書で調べてみようと思った」などの感想が寄せられました。
詳細については、国語研公式サイトをご覧ください。