7月5日・6日,国立国語研究所に宮城県仙台第一高等学校の生徒さんが2名やってきました。
国語研では,ことばを研究することを通じて学問の楽しさやすばらしさを知ってもらうために,中学生・高校生の見学を受け入れています。(職業発見プログラム)
今回の生徒さんたちは,自分の興味・関心にもとづいてテーマを設定し,研究し論文にまとめる「課題研究」という学校のプログラムの一環で,訪問してくれました。
お二人のテーマは『社会階層と発音の関係性について』というものでした。
5日は,木部暢子教授(言語変異研究領域)が質問に答えました。
研究を思いついた経緯を説明する生徒さんたちに,木部先生は問いかけます。
「そもそも階層って何でしょう。」
いくつかの問いに促され,生徒さんたちは自分で調べてきたことを整理することができたようです。話し方が変わる原因としてどのような属性や役割があるか,音声が変わりやすいポイント,音声を書面で調査するときに可能なやり方についても助言がありました。
6日は,朝日祥之准教授(言語変異研究領域)が質問に答えました。
漁師さんたちのことばや,田舎の本家と分家の関係など,様々な観点を紹介する朝日先生の話に,生徒さんたちは熱心に聞き入っていました。また,書面でのアンケートではなく,身近な人を中心にじっくり話を聞いてみたほうが良いのでは,と助言がありました。
参加した生徒のみなさん,国語研はいかがだったでしょうか。研究結果がどのようにまとめられるのか,先生たちも楽しみにしています。
『職業発見プログラム』では,見学や研究者による講義だけではなく,なぜ研究者という道を選んだのかもお話しいたします。研究者自身が現在に至るまでの実体験をお話しするので,生徒の皆さんが進路を考える上での参考になると,非常に好評です。
詳細につきましては,下記のリンクをご覧ください。