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2019.01.15 2019年01月15日 イベント案内

無料特別講座『世界から方言が消えたなら? ―知られざる「弱小言語」の魅力』

国立国語研究所の木部暢子 教授(言語変異研究領域)が講師を務める無料特別講座のご案内です。講座の概要・お申し込み方法などをご確認の上、ぜひお申し込みください。

世界から方言が消えたなら?知られざる弱小言語の魅力

開催概要

日時 2019年2月7日(木)19時~(開場18時30分)
会場 読売新聞ビル3階「新聞教室」(東京都千代田区大手町1-7-1)
受講料 無料
定員 100名
※先着順の受付となります。定員に達し次第、受付終了となります。
申し込み方法 無料特別講座の詳細およびお申し込みは、下記サイトをご覧ください。
大手町アカデミア(YOMIURI ONLINE & 中央公論)
https://otemachiacademia.peatix.com/

『世界から方言が消えたなら?―知られざる「弱小言語」の魅力』

NHK大河ドラマ「西郷どん」は、方言の難解さに注目が集まりました。講師の木部氏の専門は、まさに奄美・沖縄などの方言研究です。本講座の一つめの目的は、方言の調査・記録・継承の活動を通じて講師が知り得た方言の魅力をお伝えすることです。

ところが、この奄美のことばに加え、アイヌ語や琉球列島・八丈のことばが、現在、ユネスコの認定する危機言語としてリストアップされています。危機的な状況にある方言・言語は、日本国内だけに止まりません。アメリカの言語学者によると、現在、世界に存在する約6000の言語のうち、半数が100年のうちに確実に消滅し、最悪の場合、言語の数は20分の1にまで減少すると言われています。

そこで、本講座の二つめの目的は、多様で豊かな地域の文化や方言を守る意味を受講者の皆さんと共に考えることです。そのための材料として、私たちの研究調査や文化保護活動について紹介いたします。

木部暢子先生 からのメッセージ

私が方言の調査を始めたのは40年くらい前のことです。そのころ「方言を教えてください」と家をたずねると、「方言みたいな汚いことばを調べてどうするの」と言われることがよくありました。今はそのようなことはなくなり、逆に若者が方言でメールを書くようになりました。しかし、昔ながらの方言は、やはり消えてしまいそうな雰囲気です。方言が消えたらどうなるのか? 消えなかったらどうなるのか? 方言から未来の私たち(の子孫)の生活を考えてみましょう。

研究活動のご紹介

ロバート キャンベル 国文学研究資料館 館長からのメッセージ

湯水に浸かるように私たちは毎日ほとんど意識することなく言葉を使っています。かく言う私も「夢は何語で見るんですか?」と聞かれるまで意識の下の方で何語で喋っているかはさっぱり分からず、電車のなかで新聞を読んでいるとき隣の席から「漢字よく読めますね」と聞かれるまで日本語だ、という自覚もありません。

しかし世界中に、湯水のように毎日使っている言語を意識せざるを得ない人々が大勢います。危機言語と呼ばれる言葉の話者たちのことです。教育制度やメディアの伸展でマイナーと言われる言語が消滅に瀕することもあれば、国家の方針として、少数者の権利を封印する意図で抑圧する事例もよく知られています。

今回は木部先生に「弱小言語」の現状と、長年行ってこられた方言調査から見えてくるものについて訊ねることを楽しみにしています。

ちなみにわたくしの夢は、いつも日英両語のちゃんぽん映画です。

関連サイト

今回の講座は、人間文化研究機構(以下「人文機構」)が、「大手町アカデミア」(主催 : 読売新聞東京本社、運営協力 : 中央公論新社)と連携・協力の下、人文機構が推進しています基幹研究プロジェクトの成果発表の一環として、広く一般を対象に、実施しているものです。

※企画内容は予告なく変更になる場合があります。

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