いよいよ始まった「ニホンゴ探検2020」。今日の「ことばのミニ講義(1)」は国立国語研究所 所長の田窪行則先生による「いま」と「いまごろ」のお話です。手軽に見られる動画になっていますので、ぜひご家族でお楽しみください。
講義の前に、所長よりみなさまへのメッセージがありますのでご覧ください。
このミニ講義では、「いま」ということばと「いまごろ」ということばのつかいかたをかんがえます。「いま」というのはわたしがここではなしをしているときを指します。「いま何時?」ときくと、きいたときが「いま」です。じゃあ、「明日のいまごろ」っていつでしょう。明日は、ここで話してないかもしれないし。いま 3時なら、「明日のいまごろ」は明日のだいたい 3時ごろです。でも、「いまごろ何時?」っていえません。なぜでしょう。そんなことをいっしょにかんがえます。
日本では、地域によってアクセントが大きく違っています。例えば、
東京では 「雨」を〔アメ〕、「飴」を〔アメ〕と言いますが、
大阪では 「雨」を〔アメ〕、「飴」を〔アメ〕と言います。
鹿児島では 「雨」を〔アメ〕、「飴」を〔アメ〕と言います。
(太字の部分を高く発音する)
東京のアクセントと大阪のアクセントを比較しながら、このようなアクセントの違いがどうやって生まれたのか、考えてみましょう。それがわかると、東京の人が大阪のアクセントを真似するときのコツも見えてきます。
国語辞典に「はん(班)」「はんこ(判子)」「パン粉」はこの順に並んでいます。
では、「パン」はどこに入る?
「はんこ(判子)」と「パン粉」の間ではないの?
「明日天気になぁ~れ!」と言う時はどの天気?
悪い意味からいい意味に変わった言葉があるって本当?
国語辞典の並び順を確認し、知っているつもりの言葉も、どんどん国語辞典を引いて言葉の面白さに迫ります。
「辞書を引くと楽しい!」そう思いながら辞書引きを重ねていき、辞書引きの達人をめざしましょう。
「ふがらさ」「すでぃがぷー」「みーはいゆー」「みへでぃろどー」……鹿児島県の奄美群島と沖縄県で話されている琉球のことばの「ありがとう」です。こんなことばが話されている、与那国島、多良間島、竹富島、沖永良部島のことばで語られた物語で、4冊の絵本をつくりました。
そして、物語の朗読と絵本のイラスト、文字で書かれた琉球のことばと日本語訳を一緒に楽しめる動画もつくりました。動画を見ながら日本の中の言語の多様性を体験してください。
2020年9月30日をもちまして回答を締め切りました。たくさんのご協力をいただき、誠にありがとうございました。