ニュース

2019.07.23 2019年07月23日 お知らせ

「2019年度日本語学会春季大会発表賞」受賞(中川奈津子 プロジェクト非常勤研究員,セリック・ケナン・チボ プロジェクト非常勤研究員)

国立国語研究所の中川奈津子 プロジェクト非常勤研究員とセリック・ケナン・チボ プロジェクト非常勤研究員(ともに言語変異研究領域)が,「2019年度日本語学会春季大会発表賞」を受賞しました。

中川奈津子先生・セリック先生
(右)中川奈津子 プロジェクト非常勤研究員
(左)セリック・ケナン・チボ プロジェクト非常勤研究員
研究対象となった石垣島白保地区にて

「2019年度日本語学会春季大会発表賞」

「日本語学会大会発表賞」は,日本語学会の若手会員の研究発表を奨励し,学会全体の学術水準の向上を図るために設けられた賞で,研究発表として特に説得力に優れ,発展が期待できる内容のものに対して授与されます。(日本語学会 サイトより)

日本語学会 2019年度春季大会は2019年5月18日・19日に甲南大学で開催され,6月17日に同学会サイトにて授賞が公表されました。

発表タイトル

  • 琉球八重山白保方言のアクセント体系は三型であって,二型ではない
    (中川奈津子,セリック・ケナン・チボ)

授賞理由

本発表は,南琉球八重山白保方言のアクセント体系が,先行研究で論じられてきたような2型ではなく3型であることを示し,系統的に近い波照間方言のアクセント体系との歴史的な関係を論じたものである。

先行研究が「下降型」とした語彙が下降の幅により2群に分けられるという本発表の主張は,臨地調査で得た発話データの音響分析にもとづくものであり,論の展開は明快かつ周到である。口頭発表の際に発表者が問題となる2つの語群の音声を再生して提示し,音調の違いが参加者にも明瞭に聞き取れたことで,主張の説得力が増した。歴史的な変遷についての議論でも,慎重でありながら妥当な見解が示されている。

また,質疑応答は活発で,発表者の応答を通じて,発表者が白保方言の音韻体系全体に留意しつつ,この研究課題を扱っていることがうかがえた。

今後の展望として,今回得られた知見が母音・子音の長短の弁別や文法的意味の区別に関わる可能性に言及しており,その方向での発展も期待できる。

以上により,総合的にみて,本発表を日本語学会大会発表賞にふさわしいものと判定した。

(日本語学会 サイトより)

受賞のことば

っさぶぬ うしとぅんだ,いっちん っさぶむに ならーひひおーり,
ばがはる っさぶぴとぅ,ばいまーご 応援しーひおーり,
研究者ぬ どぅしんだ,うぬ 研究ご アドバイス ひーおーり,
きっしに にーへーゆー。
ばいまー うりがらん いじんだしきー 応援しーひよりー。

(いつも長時間の調査に我慢強く付き合ってくださっている白保方言の話し手の方々と,私たちを応援してくださっている白保の人たち,そしてこの研究にアドバイスをくださった方々に感謝いたします。
受賞を励みにこれからもがんばりたいです。)

※白保方言でコメントをいただきました。

ハイビスカス

関連記事