国語研の窓

第1号(1999年10月1日発行)

ことばQ&A

なにげなく使っていることばについて、ふと疑問に思うことがしばしばあります。
ある日、ある会社の庶務課長さんから、こんなご質問がありました。

会社で開いた会合で社長を紹介するときの敬語は?

質問

勤務先の会社で会合を開きます。会を始める時にあいさつする社長のことを司会者が紹介するのですが、その際に敬語は使っていいのですか?

回答

その会合にどんな人たちが出席なさるのか、司会者がどんな立場で司会なさるのかによって敬語の使い方も変わります。

社員だけが出席する社内の会合なら「社長からごあいさつがあります」「佐藤社長からのお話をうかがいます」などのように、社長への尊敬表現や社長に対する謙譲表現を使うのがよいでしょう。

社外の方たちを招いて開く会合であれば、「社長の佐藤からごあいさつを申し上げます」とか「当社社長がごあいさついたします」のように、来客へのへりくだりを表す謙譲表現を用いるのがよいとされています。社長の身内として扱って来客にへりくだった気持ちを表現するわけです(要旨)。


日ごろ、ことばについて疑問がわいてお手元の書物や辞典などで調べてもよくわからないようなときは、この「ことばの質問」にファックスやお手紙でお寄せ下さい。
ご質問には極力お答えすると同時に、この「ことばQ&A」でも取り上げてまいります。
なお、お電話の場合は担当者が会合に出ていたりして即応できないことがあります。

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。