第5号(2000年10月1日発行)
国立国語研究所編
どちらも、平成12年7月、大蔵省印刷局発行、A5判96ページ、定価360円(税別)
● ふだんの暮らしの中で、言葉について気になったり、疑問に思ったりした経験はありませんか。またそれをきっかけに、自分で言葉について考えたり、人と話し合ったりすることはないでしょうか。新「ことば」シリーズは、そんな時に手に取って、参考としていただけるように、言葉に関するいろいろなテーマについて、わかりやすく解説するシリーズです。10号までは、文化庁国語課が作成してきましたが、今回刊行したシリーズ11・12からは、国立国語研究所が編集を行うことになりました。刊行は年1回です。
● シリーズ11では、「豊かな言語生活のために」をテーマに取り上げました。一口に「豊かな言語生活」と言っても、人によって、「他人とのコミュニケーションが上手にできる」「正しく美しい日本語が使える」「感情が豊かに表現できる」「言葉に関する知識が豊富である」など、いろいろな考え方があると思います。これらはどれ一つを取っても大切なことですが、では、このように多様な広がりを持つ「豊かな言語生活」を、バランスよく実現するためには、日常生活の中でどのようなことに目を向けたらいいのでしょうか。このことについて、身の回りの言葉のいろいろな面を取り上げて考えていきます。
● シリーズ12は「言葉の使い分け」がテーマです。「気持ちの込め方によって声の調子はどのように変わる?」「『にぎやかだ』と『やかましい』の違いは?」「男性と女性の言葉はどういうところに違いがある?」「『コンピュータが立ち上がる』という言い方をするのはどんな人?」「改まった時とふだんの時の言葉遣いはどう違う?」など、「言葉の使い分け」に関わる30の問いに、1問1答の形式で解説を加えています。また巻末には、最近の国立国語研究所の調査研究の結果の一部を「参考資料」として付し、コンパクトな解説付きのデータ集として利用できる形で紹介しました。
● このシリーズは、各都道府県教育委員会と知事部局のご協力を得て、全国のすべての小学校、中学校、高等学校等の学校と、公立図書館、公民館等の社会教育機関に無償で配布されています。また、市販もしておりますので、ご希望の方は、政府刊行物サービスセンターでお求めになるか、一般の書店でご注文ください。
この冊子を手にとって、ぜひ、言葉について考えるおもしろさを味わってみて下さい。
【内容】
座談会 豊かな言語生活のために(内田伸子・陣内正敬・橋本良明・甲斐睦朗)
解説 言葉って何だろう-人間にとって、人間の生活にとって-(相澤正夫)/「ことばのしくみ」について考える(井上優)/文字と暮らし(横山詔一・笹原宏之)/日本語の中の多様性(三井はるみ)/教室の談話(當眞千賀子)
【内容】
言葉に関する問答集 [問1]「言葉を使い分ける」としばしば言います。これはどんな範囲のどんな内容のことを言うのでしょうか。~[問30]相手によって言葉遣いがいろいろに変わります。相手による敬語の使い分け以外にどんなことがありますか。
参考資料 国際社会における日本語についての総合的研究/日本語の多様性に関するアンケート調査/テレビ放送の語彙調査
(新「ことば」シリーズ編集刊行委員会)
新「ことば」シリーズ:http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/shin_kotoba_series/
『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。