国語研の窓

第13号(2002年10月1日発行)

最近の仕事から 1

大学院「日本語教育指導者養成プログラム」への参画

日本語教育指導者養成プログラム

海外では日本社会や日本文化についての関心が高まり,日本語を学習しようとする人たちも世界で210万人を超える勢いです。こうした日本語学習の需要に応えるためには,世界の各国で日本語を教える教師がたくさん必要です。また,それと同時に,それぞれの国や地域での日本語教育の中核を担うことのできる教師の育成も求められています。

国立国語研究所では,海外のこのような需要に応えるべく,政策研究大学院大学(新宿区),国際交流基金日本語国際センター(さいたま市)と共同で,平成13年10月に,「日本語教育指導者養成プログラム」という新しい大学院課程(修士課程)を開設しました。

大学院生は

平成13年度は,ODA(政府開発援助)の対象国である6か国(インドネシア・タイ・フィリピン・マレーシア・インド・ブラジル)から8名の院生を迎え,昨年10月の秋学期から指導を始めました。

これらの大学院生は,すでにそれぞれの母国で,大学や日本語教育機関の教師などとして活躍している人たちです。帰国したあとも引き続き,母国の日本語教育をリードしていくことが期待されていますから,それぞれの国や大学での日本語教育が抱えている課題を研究テーマに選んで,指導を受けたり,調査や実習にあたったりしています。

1年間で修了を目指して

大学院生の講義・演習・研究指導などは,3機関の教官や研究員が協力して行っています。国語研究所員も,9名が日本語学や言語学の講義,日本語教育の方法論や教師教育論,教材や教育情報の演習などを行っています。

通常の修士課程は2年間ですが,このプログラムでは1年間に集中したカリキュラムを用意して修士学位の取得を目指します。1年間を4学期に分け,夏や冬の休みも短くして,みっちりと研究や実習を進めてきています。

平成14年9月には,第1期生が1年のコースを修了し,それぞれの掲げた「特定課題研究」について最終レポートや論文をまとめ,修了試験を経て巣立っていきました。

また,10月には新たに9名の第2期生を迎えることになっています。国語研究所では,修士課程を今後とも充実させるとともに,これに続く博士課程を開設することを目指しています。また,現在はODA対象国のみから学生を募集していますが,将来的には,それ以外の国や地域(日本を含む)からも学生の募集を行うことが検討されています。

(杉戸 清樹)

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。