第14号(2003年1月1日発行)
「フリマ」という言葉をご存知でしょうか? この言葉は,「フリーマーケット」の略で,1990年代の後半ごろから使れだしたようです。このような新しい言葉は,国語辞典にのっていないことが多いため,意味を知りたいとき,困ってしまいます。
こんなときに役立つのがインターネットの全文検索サイトです。全文検索サイトは,インターネットから,調べたい言葉を含むページを検索してくれるサイトで,googleなどが有名です。「フリマ」を検索してみると,次のような文が使われているページがみつかりました。
*近くの公園のフリマに出店した
*フリーマーケットで買物(フリマ情報)
*昨日のお休みに古本フリマに行き,…
「フリマはフリーマーケットの略」というような書き方はされていませんが,いくつかの結果を合わせて考えれば,「フリマ」が「フリーマーケット」の略であることが推測できます。もちろん,運がよければ,意味を解説しているページを検索できることもあるでしょう。
インターネットで調べることができるのは,新しい言葉だけではありません。国語辞典にのっていないような,古い流行語,限られた範囲でしか通用しない語や言い回しなども同様の方法で調べることができます。例えば,「なめ猫」,「雨プロ」,「さらばだ。明智君」などです。機会があれば,検索してみてください。
便利なインターネットの全文検索ですが,利用には注意も必要です。というのも,インターネットは誰でも手軽に情報を公開できるので,誤った情報も多いからです。そこで,ページの著者などを見て,信頼できるページを選んだり,複数のページで同じ情報を得られるか確認することが必要になります。
このように,インターネットは便利な言葉の資料です。しかも,日々成長しています。今後,ますます資料としての重要性が増していくでしょう。
(山口 昌也)
『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。