国語研の窓

第17号(2003年10月1日発行)

お知らせ:「ことば」フォーラム

第17回「ことば」フォーラム「方言の科学―ことばのくにざかい 富山―」

日 時:2003年11月3日(祝・月)14:00~16:30
会 場:富山国際会議場(城址公園向い)
共 催:国立国語研究所,富山市教育委員会
後 援:北日本新聞社,北日本放送
協 力:富山市立図書館,富山大学人文学部中井研究室

内 容

富山は,方言の種類が多いこと,県内での方言の地域差の大きいことでも知られています。日常的でなじみ深い「方言」の世界ですが,実は,全国的な視野や科学的な方法で研究が進められてきました。その成果の一部をご紹介しましょう。

プログラム

第1部 講演

■「方言の東西境界と富山」 大西 拓一郎(国立国語研究所主任研究員)
日本の方言は,富山県の近くを通る境界線で大きく東と西にわかれることが,古くから知られています。この東西対立は全国規模で考えるならどのような性格のものでしょうか。具体的に地図で見てみましょう。

■「富山方言の地域差」 中井 精一(富山大学助教授)
富山県は,日本の西と東の文化が交錯する地域です。富山大学人文学部の研究成果をもとに,県内に存在する呉東と呉西および海岸部と内陸部という地域的なかたよりをてがかりに,富山県方言の特質について考えます。

■「社会構造と方言,その変遷」 真田 信治(大阪大学大学院教授)
世界文化遺産・五箇山郷の方言における親族呼称の60年間の歴史的移り変りを具体的に紹介します。

第2部 パネルディスカッション

第1部の講演をもとに,参加された皆さんとともに方言と富山について考えてみたいと思います。

※入場無料,ただし事前申し込みが必要。定員300名。対象は中学生以上。手話通訳つき。

地図

  第17回「ことば」フォーラム:http://www.ninjal.ac.jp/archives/event_past/forum/17/

第18回「ことば」フォーラム「外字対応のヒント―図書館や電子政府の取り組み―」

日 時:2003年11月6日(木)13:00~14:30
会 場:東京国際フォーラム「第5回図書館総合展」ホールB7フォーラム第3会場(東京都千代田区丸の内351)
共 催:国立国語研究所,紀伊國屋書店
後 援:日本書籍出版協会,日本規格協会,情報処理学会

内 容

情報化時代の漢字問題について,皆さんと一緒に考える機会を作り,豊かな文字生活のきっかけを提供します。また,国立国語研究所・情報処理学会・日本規格協会の3者連合が,経済産業省の委託を受けて開発に取り組んでいる「電子政府の文字情報基盤」について,国語学や認知科学の観点から解説を行い,あわせて外字問題に対応するヒントを紹介します。

プログラム

■「図書情報検索における外字対応」 横山 詔一(国立国語研究所領域長)
Web版『日本書籍総目録』(Books.or.jp:日本書籍出版協会)の外字対応について,実演をまじえて解説します。また,早稲田大学図書館の協力により,同館の目録情報を文字コードの相違によらず「日本語のまま」海外に提供する方法を紹介します。

■「電子政府の文字基盤を支える学術研究」 笹原 宏之(国立国語研究所主任研究員)
外字問題の解決を目指して,電子政府の文字情報基盤が整備されつつあります。これは,どのような学術的研究にもとづいて作られているのか,分かりやすく解説します。

※入場無料,ただし事前申し込みが必要。手話通訳つき。

地図

  第18回「ことば」フォーラム:http://www.ninjal.ac.jp/archives/event_past/forum/18/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。