国語研の窓

第20号(2004年7月1日発行)

表紙のことば

北区稲付西山町[現・北区西が丘]への移転

第20号(2004年7月1日発行)表紙
昭和37年4月~昭和51年11月:旧西が丘庁舎

国立国語研究所は,昭和23年12月20日の創立以来,何度か移転・改築を重ねてきました。設立後十数年間は,他機関所有の建物(の一部)を借用して仕事をしていましたが,昭和37年3月,千代田区神田一ツ橋から北区稲付西山町(現在の北区西が丘)へ移転し,初めて自前の建物で研究を行えるようになりました。

その引っ越し前後の様子を写真でたどってみましょう。

*写真の一部は,故・林 大(はやし おおき)先生(元所長,当時・第一研究部長)がまとめられた「ひっこしにっき」から拝借しました。

(池田 理恵子)

引っ越し前日(昭和37年3月30日)北区にある移転先(旧陸軍兵器補給廠(しょう))を訪れ,机や棚などの配置を確認。01
引っ越し前日(昭和37年3月30日)北区にある移転先(旧陸軍兵器補給廠(しょう))を訪れ,机や棚などの配置を確認。02
引っ越し前日(昭和37年3月30日)北区にある移転先(旧陸軍兵器補給廠(しょう))を訪れ,机や棚などの配置を確認。03

引っ越し前日(昭和37年3月30日)
北区にある移転先(旧陸軍兵器補給廠(しょう))を訪れ,机や棚などの配置を確認。

「く」の字形の建物で,廊下の両側に部屋が並んでいます。「2階略図」では,いろは順に「そ」まで記号が付けられています。内部の壁には進駐軍の落書きが残されていて,消すのに苦労したそうです。
「にっき」には「てんきがあまりよくない」とあります。

引っ越し当日(3月31日)一ツ橋庁舎から荷物を搬出。1
引っ越し当日(3月31日)一ツ橋庁舎から荷物を搬出。
「にっき」によれば,ここは書庫の跡です。
引っ越し当日(3月31日)一ツ橋庁舎から荷物を搬出。2
きちんと整理され,運び出されるのを待つ机や資料。中央に見える扇風機の形が時代を感じさせます。
引っ越し当日(3月31日)一ツ橋庁舎から荷物を搬出。3
玄関の上に「国立国語研究所」の文字が見えます。小説「砂の器」に登場した,濠端(ほりばた)の庁舎ともこれでお別れ。
明かりがともる新庁舎
明かりがともる新庁舎
引っ越しは夜遅くまで続き,所員たちは夜食を食べて,片付けに追われたようです。
4月4日
4月4日
引っ越しの片付けも一段落。中庭に机を並べ,桜の下で,お祝いをしました。

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。