国語研の窓

第21号(2004年10月1日発行)

第20回「ことば」フォーラム報告

第20回「「ことばビデオ」方言の旅―庄内方言の集い―」

第20回「ことば」フォーラムは,5月29日13時半から15時半にかけて,山形県三川町の三川町公民館において開催されました。参加者数は121名でした。

フォーラムの前半では,昨年度,研究所が企画・制作した「ことばビデオ」シリーズ3『方言の旅』を上映しました。

この作品は,今回のフォーラム開催地,山形県庄内地方にある三川町を主な舞台とし,地元の方々に御協力・御出演いただいています。作品は,地元の皆さんが使っている庄内方言をめぐって話が展開し,研究所の研究成果も盛り込まれています。

今回のフォーラムは,ロケなどで大変お世話になった三川町の皆さんに作品を御披露することも一つのねらいとしています。

作品は,全国の人が利用できるように作られていますが,やはり地元は違います。客席からは,笑い声がしばしば聞かれ,親しみを持って作品に接していただけたようでした。

フォーラムの後半は,関係者が登壇し,作品をめぐっての座談会を行いました。

はじめの登壇者は,大西,佐藤亮一氏(東京女子大学),佐藤武夫氏(三川町)の3名です。

大西は,作品の企画・制作にかかわりました。佐藤亮一氏は,作品に登場するとともに,三川町で10年以上調査を実施してこられました。佐藤武夫氏も作品の出演者で,また,地元三川町で毎年開催されてきた「全国方言大会」の最初の企画者です。

まずは,この3名で,庄内方言の変化や位置付けに関して話を進めました。

大西は,研究所の研究成果に基づき,全国的な視野から見た場合の東北方言の学術的意味について話しました。佐藤亮一氏は,地元での調査による豊富なデータを利用して,三川町方言の変化について,話されました。佐藤武夫氏は,生活する中での実感から,エピソードを交えつつ,方言の実態について,語られました。

引き続き,ビデオ作品の監督である富永一氏と,作品に出演した俳優の原田佳奈氏も登壇します。

富永氏は,これまで多くの教育作品に携わってこられましたが,これだけ方言が使われ,出演者のほとんどが地元の方という作品は初めてで,苦労もあったけれども楽しいロケであったことを話されました。原田氏は,作品中,唯一プロの俳優でした。同時に制作当時は,本当に佐藤亮一氏のゼミの学生だったのです。ドラマのようなドキュメンタリーのような不思議な経験であったことを話されました。

三川町でのフォーラムは,第9回(2002年3月)にも開催しており,今回で2回目です。ビデオ制作のためのロケも含め,たびたび町の皆さんに御協力いただいたことにお礼を申し上げます。その他,山形県教育委員会,鶴岡市教育委員会,NHK山形放送局から後援を頂きました。ここに記して感謝します。

(大西 拓一郎)

第20回「「ことばビデオ」方言の旅―庄内方言の集い―」

  第20回「ことば」フォーラム:http://www.kokken.go.jp/event/forum/20/

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