国語研の窓

第22号(2005年1月1日発行)

第21回 「ことば」 フォーラム報告

第21回「こんにちは“コッケン”です。―みなさんの質問から―」

さる 7 月17日(土曜日)午後 1 時から 3 時にかけ,埼玉県東松山市高坂市民活動センター公民館において,第21回「ことば」フォーラムを開催しました。参加者は約80名でした。

今回の開催のきっかけは,2003年度末のある日,公民館の一職員から国語研究所の電話質問に寄せられた「公民館独自の企画を国語研究所とともに練りたい。」という一本の相談の電話でした。当日は東松山市教育委員会の後援を得て,真夏の日ざしのもと,輝く青田に囲まれた会場での催しとなりました。

内容は,「こんにちは」を「こんにちわ」と書く表記の流行や,外来語やカタカナ語の氾濫(はんらん)など,日ごろの身近な日本語の問題や疑問をとりあげることになりました。そのため,広報ちらしには当日の話題の一部をきく事前アンケートを掲載し,回答を募集しました。

当日は,甲斐所長の開催の経緯にふれた「あいさつ」に続いて,前半に 2 名の研究所員の発表がありました。

はじめに,小椋秀樹が「書き言葉のきまりとは」で,「常用漢字表」「現代仮名遣い」「送り仮名のつけ方」「外来語の表記」などのなりたちや意味を解説。特に「常用漢字表」の経緯や,混ぜ書き,仮名書き,ふりがな付き表記の選択について述べました。また文化庁「国語に関する世論調査」の語例をアンケートでも回答してもらい,特に読む時や書く時にどんな表記がのぞまれるか,といった傾向について言及しました。

次の尾崎喜光は,「おや言葉?」と題して,親になってから使う「~しなさい」「~してごらん」といった言い回しが,じつは丁寧で敬意を含んだ表現であることを指摘しました。大学生を対象にしたアンケートの結果を見ながら,自分が親に言われる言い回し,将来親になったらどう言うか,といった観点からの結果も紹介しました。

後半「みなさんの質問から」では,地元 FM ラジオ局「エフエムチャッピー」の篠田敬子パーソナリティの司会で,当日までにファクシミリで集まったアンケート結果や会場の質問から,特徴のある問題を山田がとりあげ,解説を交えて解答しました。アンケートには市民はもとより,地元の東京農業大学第三高等学校からも多くの生徒さんの回答が寄せられ,会場の中高年の参加者には耳新しい現代の高校生の家庭での話し言葉を紹介する機会にも恵まれました。

当日会場には,他の回のフォーラムと同様,同時字幕と手話通訳が行われました(7ページ参照)。またロビーでは研究所の研究成果の一部を展示し,政府刊行物サービスセンターが「新『ことば』シリーズ」などの刊行物を販売し,いずれも参加者には好評を得ました。

(山田 貞雄)

第21回「こんにちは“コッケン”です。―みなさんの質問から―」

  第21回「ことば」フォーラム:http://www.kokken.go.jp/event/forum/21/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。