国語研の窓

第22号(2005年1月1日発行)

第22回,第23回「ことば」フォーラム報告

第22回「現代の外来語」

第22回「ことば」フォーラムは, 8 月28日(土), 144名の参加者により,東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザで開催されました。英語教育の専門家である鳥飼玖美子氏(立教大学),日本語学の専門家の佐竹秀雄氏(武庫川女子大学)をお迎えし,田中を加えて 3 名が講演し,その後,会場からの質問意見に答える形で討論を行いました。

田中は,外来語が日本人にどの程度理解されているのかについての調査をもとに,分かりにくい外来語の特徴を述べました。そうした分かりにくい外来語を分かりやすくする言葉遣いの工夫を提案している,国立国語研究所「外来語」委員会の活動を紹介しました。

佐竹氏は,新聞の紙面別の外来語調査の結果をもとに,暮らしの中の外来語に関して,人々がどのような意識で受け止め,用いているかについて,多角的に考察しました。外来語がもつ外見的な効果と,実質的な意味とを区別する必要性を主張しました。

鳥飼氏は,当事者間の理解の阻害,本質の隠蔽(いんぺい),英語との音や意味のずれ,の三つの側面で,外来語はコミュニケーション上で問題を起こしがちであることを,豊富な事例により説明しました。外来語に限らず,批判精神をもって言葉を用いることの重要性を強調しました。

会場からは,講演者に対して同感の意見が寄せられるとともに,増え続ける外来語への当惑,英語を学ぶ上での外来語への対処法など,外来語をめぐる率直な感想や疑問が出されました。これらを踏まえ,現代人として外来語にどのように対応していけばよいかについて,講演者それぞれの立場から総括を行い,会を終えました。

(田中 牧郎)

第22回「現代の外来語」

  第22回「ことば」フォーラム:http://www.kokken.go.jp/event/forum/22/

第23回「外来語とどう付き合うか」

第23回 「ことば」 フォーラムは, 11月 6 日(土) の午後 2 時から 4 時半まで,兵庫県西宮市の武庫川女子大学日下記念マルチメディア館で開催されました。同大学の言語文化研究所との共催で実施し,参加者は133名でした。

今回は,国立国語研究所「外来語」委員会の活動を紹介するとともに,現代に生きる上で,外来語とどのように付き合っていけばよいのか,身近な問題から行政の問題まで,幅広く取り上げて一緒に考えてみることにしました。

フォーラムの前半では,三つの講演を,(1)相澤正夫(国立国語研究所)「外来語の言い換え提案」,(2)陣内正敬(関西学院大学)「外来語を育てるとは」,(3)佐竹秀雄(武庫川女子大学)「暮らしの中の外来語」の順に行い,後半では,それを受けて会場からの質問に答えながら,外来語との賢い付き合い方について話し合いました。

参加者からの積極的な質問により,外来語問題への関心の高さを改めて実感しました。激しい勢いで日本語に入ってくる外来語,それをうまく取り込むにはどうすればよいのか,たくさんのヒントが得られた会であったと思います。

(相澤 正夫)

第23回「外来語とどう付き合うか」

  第23回「ことば」フォーラム:http://www.kokken.go.jp/event/forum/23/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。