国語研の窓

第23号(2005年4月1日発行)

新庁舎竣工記念式典・祝賀会報告

旧西が丘庁舎から引っ越して約一か月が過ぎ,新庁舎での業務もすっかり軌道に乗った3月9日(水),立川新庁舎竣工(しゅんこう)記念式典・祝賀会がとり行われました。ほんの5日前には寒波で一面銀世界となった新庁舎周辺でしたが,当日は20度近くまで気温が上がり,200名近いお客様をお迎えするのにふさわしい陽気に恵まれたのです。

まず竣工(しゅんこう)記念式典が午後2時より新庁舎2階講堂にて行われました。

甲斐睦朗所長の主催者あいさつの後,国土交通省関東地方整備局の坪田英明営繕部長による工事概要説明(代読)があり,続いて御来賓の方々からの御祝辞です。

まず河合隼雄文化庁長官が,「21世紀における国語研究の殿堂ともいうべき建物が竣工した。国語研究所は新しい時代に応じた国語施策を充実させていく上でなくてはならない機関である」との期待のお言葉を述べられました(写真)。

続いて青木久立川市長が,「立川にこの研究所が来たことを地元市長として心から喜んでいる。豊かな日本語の研究の基点となってほしい」と暖かい歓迎のお言葉を語られました。

そして前田富祺日本語学会会長からは,「研究に加えその内容を世間に知らせる広報も今後一層重要になる。将来を見通して研究を続けていけば,国語研究所の将来は洋々たるものがある」と今後の進路についてアドバイスを頂きました。

最後に,新庁舎建設に御尽力を頂いた設計・建築各社を紹介した後に,代表の方に甲斐所長より感謝状が贈呈され式典は終了しました。

式典終了後は施設見学の時間です。来訪者の方々に図書館・音声スタジオ・中央資料庫などを実際に見ていただくとともに,本紙でも度々お伝えしてきた「「外来語」言い換え提案」をはじめ,「電子政府」「日本語教育の教師研修」 「日本語の現在」 「e-Japan事業」(それぞれ本紙15号17号20号21号に解説記事があります)「言葉に関する電話質問」「ml文献情報の収集・提供」などの本研究所の事業に関し,所員がパネルを使いながら御説明しました。

その後,1階ホールにて祝賀会が行われました。所長あいさつの後,結城章夫文部科学事務次官,そして本研究所評議会会長でもある吉田茂日本音楽著作権協会会長にごあいさつを頂きました。結城事務次官は「我が国唯一の現代日本語の中核的研究機関の新たな門出に当たり,一層充実した調査研究活動を展開し,国や社会の期待に積極的にこたえていくことを願っている」,吉田会長は「国語研究所は国民の言語生活や外国人に対する日本語教育の充実発展に重要な貢献をしてきたが,改革の波の中,今後一層社会や国民の役に立つ研究所であることが求められている」とそれぞれ激励のお言葉を語られました。約1時間にわたって行われた宴は午後4時を回るころにお開きとなり,移転後最初の大きな行事は滞りなく終了しました。

(新野 直哉)

新庁舎竣工記念式典・祝賀会報告

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。