第30号(2007年1月1日発行)
国語研究所は,唯一の国立の国語研究機関として,日本語に関する情報資料の継続的な収集・整理という大事な役目も担っています。そこで,研究所では保有する図書や資料の特性に応じて,適切な保存や利用ができるように,図書館と資料庫(→次ページ)を統合的に管理し,整備を進めています。
国語研究所図書館は,現代日本語についての研究文献・言語資料を中心に,日本語学・言語学・日本語教育,及び,民俗学・社会学・心理学・教育学といった日本語に関わる関連領域についても,網羅的に文献・資料を収集しています。
中には,東条文庫(方言),大田文庫(方言),保科文庫(言語問題),見坊文庫(辞書),カナモジカイ文庫(文字・表記),藤村文庫(音声科学)など,研究者から寄贈された貴重なものもあります。
また,図書館が収集した文献・資料をもとに,『国語年鑑』『日本語教育年鑑』(→6ページ)の日本語・日本語教育に関する文献目録を作成しており,これらは調査研究における基本文献となっています。
平成17年の立川移転を機に,「全国で唯一の,日本語に関する専門図書館」として,所有する研究文献・言語資料の一般公開を本格的に実施しています。
図書館が所蔵している図書・雑誌の書誌情報・所蔵情報は,研究所のホームページから「図書館蔵書目録データベース」により簡単に検索できます。
https://libgw.ninjal.ac.jp/drupal/
また,国立情報学研究所の目録所在情報サービスに参加していますので,同研究所が運営する「本,作品,人物の検索サービス (Webcat Plus)」からでも図書館の図書・雑誌の検索が可能です。
国語研究所は,国立情報学研究所の図書館間文献複写サービス(NACSIS-ILL)に参加しています。
所蔵する文献・資料の複写を御希望の方は,所属機関の図書館を通して,申し込むことができます。
昭和23年の創立以来の調査研究の成果や,蓄積してきた日本語の情報・資料を継続的・組織的に整理し,電子化してインターネット上で公開することに取り組んでいます。
例えば,蔵書目録データベースで研究所の報告書を検索すると,電子化されたページの画像を閲覧できる機能があります。今後はこのような電子図書館的機能をさらに充実させていく計画です。
研究所の調査研究の成果や蓄積してきた情報資料を組織的に整備し将来に残すと同時に,いっそうの活用を図るため,資料保存と情報発信の拠点となるような,日本語の情報資料館をめざしています。
図書館利用案内
http://www.ninjal.ac.jp/info/aboutus/library/
(熊谷 康雄・井上 文子)
『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。