6月5日付の朝日新聞 (西部版・共通)朝刊に、天草版『平家物語』『伊曽保物語』『金句集』の画像公開に関する記事が掲載されました。キリシタン資料にゆかりの深い九州地方ならではの掲載です。該当地域にお住まいの方は、ぜひ探してみてくださいね。
16世紀にイエズス会の外国人宣教師が日本語学習を目的に使用した同書は、現在、世界で一冊しか見つかっていない「天下の孤本」と言われており、イギリスの大英図書館が所蔵しています。
同書のカラー画像を公開するのに尽力したのが、国立国語研究所の高田智和 准教授(言語変化研究領域)です。同書には影印本がありますが、モノクロであるため解読困難な箇所がいくつもありました。そのため、研究者は判読のためにわざわざイギリスまで行かなくてはいけませんでした。
昨年、高田先生と小木曽智信 教授(言語変化研究領域)が日本語歴史コーパス制作のために大英図書館で同書を閲覧していたところ、思いがけず大英図書館側から画像公開のご提案をいただき、表・裏表紙を含む計723枚のカラー画像公開へとこぎつけました。
室町時代の日本語の話しことばや発音を知ることのできる、言語学的にも貴重な資料です。どなたでもご利用いただけますので、ぜひ、下記のサイトをご覧ください。
掲載紙 | 朝日新聞 西部版(2019年6月5日 朝刊) |
記事タイトル | 世界唯一の読本、カラー画像公開 16世紀、宣教師の日本語学習の「教科書」 |
登場する研究者 | 高田智和(言語変化研究領域) |