国語研の窓

第2号(2000年1月1日発行)

終了報告:国際シンポジウム第5専門部会

第7回 国際シンポジウム第5専門部会「日本語教育の国家的標準」

平成11年10月4日(月) 国立国語研究所講堂

世界の様々な地域で、日本語教育の国家的な標準や指針を作る動きが始まっています。第5専門部会では、アメリカおよびオーストラリアにおける動きを、それぞれの地域の専門家からの報告を受け、討論しました。

アメリカでは、教育の質の向上を目指すゴール2000のプロジェクトが、ブッシュ前大統領の提唱で始まりました。その中で外国語教育の目標として、「アメリカの生徒全員が英語のほかに、もう一か国語使えるようになることはコミュニケーション上重要である」といった理念が掲げられ、1993年から国家的標準を作るプロジェクトが始まりました。そして1999年に「標準」が出版されましたが、そこには頭文字をCでそろえた五つのゴール(コミュニケーション、カルチャー、コネクション《他の教科との関係》、コンパリソン《日本語と母語との比較》、コミュニティー)が挙げられています。

一方、オーストリアでは10年ほど前から数年間「津波」と形容されるような日本語学習ブームが押し寄せました。ブームには1991年の言語政策の発表でアジア言語の学習が強調されたことが大いに影響しています。ブームが落ち着いた現在では、言語の運用能力ということよりも、異文化理解が重視されているとの指摘もありました。

  第7回国際シンポジウム:http://www.ninjal.ac.jp/archives/event_past/kokusai_sympo/07/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。