国語研の窓

第4号(2000年7月1日発行)

「ことばフォーラム」のご案内

「フォーラム」というのは、「広場」という意味の外来語です。国立国語研究所では、市民の皆さんとご一緒にことばについて考えたり話し合ったりできる「広場」のような機会を、「ことばフォーラム」と名付けて1年間に3回程度催すことにしています。平成12年度の第1回は、5月13日(土)に「年齢とことば」をテーマに実施しました。第2回は主に中学生、高校生を対象に、以下のように開きます。前半で研究所員からのお話をお聞きいただき、後半ではご参加いただいた皆さんとお話しするという内容です。中学生、高校生以外の方もお気軽にご参加ください。

◆日時 平成12年8月8日(火) 午後2時から午後4時まで
◆場所 国立国語研究所 講堂(5階建て建物の5階にあります)
入場無料
◆フォーラム
(1)「放課後の漢字」
笹原 宏之(言語体系研究部主任研究官)
横山 詔一(情報資料研究部主任研究官)

私たちは、学校でたくさんの漢字を勉強します。そのほか、本や漫画を読んだり、街中で看板を見たり、携帯電話でメールのやりとりをしたときなど、いろいろな漢字を目にしています。それらをあらためて観察してみましょう。

(2)「話しことばの秘密」
前川 喜久雄(言語行動研究部第二研究室長)

話しことば(音声)と書きことば(文字)の本質的な相違点は何でしょうか。両者のあいだには普通に考えられているよりもずっと大きな違いがあります。その相違点について音声科学の立場から検討した結果についてお話しします。音声が伝える情報の多様性と、それを生み出すメカニズムについて、コンピュータによる実演を交えながら、わかりやすく説明します。

  第3回「ことば」フォーラム:http://www.ninjal.ac.jp/archives/event_past/forum/03/

◆11月の「ことばフォーラム」のご案内

平成12年11月11日(土) 一般社会人対象

最近、日本語を母語とする人とそうでない人とが出会って話し合うことがずいぶん多くなりました。違う文化や言語をもった人々同士が生活の中で交流しあうことは、もはやごく日常的な風景です。日本語を学ぶ人にとって、学校だけが学びの場であるわけではありません。むしろ、日常生活の中で、日本語を話す人々と直接付き合うことから、より多くのことを学んでいるのだといえます。そして、受け入れ側の日本人にとっても、日本語を学んでいる人との付き合いは、自分の言語や文化について改めて考え直してみる絶好の機会だといえます。

11月の「ことばフォーラム」のテーマは「日本語教育」です。日本語を母語とする人としない人とが良好なコミュニケーションをとっていくためのやり方について、言語・文化などさまざまな視点から考えていきます。日本語を母語とする人、しない人、双方の参加を歓迎します。

  第4回「ことば」フォーラム:http://www.ninjal.ac.jp/archives/event_past/forum/04/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。