国語研の窓

第8号(2001年7月1日発行)

新刊紹介

新「ことば」シリーズ13『「ことば」を調べる考える』
新「ことば」シリーズ14『ことばに関する問答集─よくある「ことば」の質問─』

国立国語研究所編
どちらも、平成13年6月、財務省印刷局発行、A5判96ページ、定価360円(税別)

● ことばに関するいろいろなテーマについてわかりやすく解説する、新「ことば」シリーズの最新刊です。

● みなさんは、ことばについて気になったり、疑問に思ったりしたことを、自分で調べたり、考えてみたりしたことはありますか。そのとき、何をどうやって調べたでしょうか。ことばに関する本を読んだり、専門家の話を聞いたりして知識を得たかもしれません。それも一つのやり方です。しかし、ことばについてより深く知るためには、それだけでなく、自分の目でことばそのものを客観的にみつめ、そこから何かを発見していくことが、とても大切です。ことばの研究者が行っている「ことばの研究」の進め方には、そんな「自分の目で直接ことばをみつめる」ための考え方や方法がたくさん詰まっています。

● シリーズ13では、「「ことば」を調べる考える」というテーマを取り上げました。日常生活の中でことばをみつめ、調べたり考えたりするときの手がかりになれば、と考えて、私たち国立国語研究所の研究員が行っている研究の一端を紹介し、「ことばの研究」の基本的な考え方や方法について、身近な題材をもとにわかりやすく解説しています。

● また、シリーズ14「よくある「ことば」の質問」では、「「いちかばちか」は「一か八か」?「一か罰か」?」「「つまらない物ですが」という言い方に抵抗があるのですが」「「常用漢字」ってどんなもの?」といった、ことばについて日常よく聞かれる30の問に、1問1答の形式で解説を加えました。ここでも解説にあたっては、単なる知識の提供にとどまらず、ことばに関する疑問にどう対処すればよいのか、ということを併せて述べています。また巻末には、最近の国立国語研究所の調査研究の結果の一部を「参考資料」として付し、コンパクトな解説付きのデータ集として利用できる形で紹介しました。

● このシリーズは、各都道府県教育委員会と知事部局の御協力を得て、全国のすべての小学校、中学校、高等学校等の学校と、公立図書館、公民館等の社会教育機関に無償で配布されています。また、市販もしておりますので、ご希望の方は、政府刊行物サービスセンターでお求めになるか、取り扱い書店でご注文ください。

これらの冊子を通じて、「ことば」について調べたり考えたりすることを身近に感じていただければ幸いです。

(新「ことば」シリーズ編集刊行委員会)

新「ことば」シリーズ13『「ことば」を調べる考える』
【内容】
座談会「ことば」を調べる考える(木村義之・福田邦夫・宮澤清治・鷲津名都江・甲斐睦朗)
解説 ことばにパターンを見る─文法の研究─(井上優)/言語行動を観察する─くり返しのはたらき─(熊谷智子)/ことばの多様性を調べる─社会調査にもとづく研究─(尾崎喜光)/方言の活用表を作る─鶴岡市大山方言の場合─(大西拓一郎)/語の歴史を調べる─“タナゴコロ”を例に─(小椋秀樹)/ことばと実験(井上優・横山詔一)
新「ことば」シリーズ14『ことばに関する問答集─よくある「ことば」の質問─』
【内容】
言葉に関する問答集 [問1]「ことば」の研究とはどんな事をするのですか。~[問30]「裸木」という語の読み方を調べたいのですが、インターネットで調べることはできますか。
参考資料 災害時に使う外国人のための日本語案文/白書、広報紙等における外来語の実態/『国語研の窓』「ことばQ&A」[再録]

  新「ことば」シリーズ:http://www.ninjal.ac.jp/publication/catalogue/shin_kotoba_series/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。