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2024.11.29 2024年11月29日 書籍

書籍紹介『言語学者も知らない謎な日本語 ― 研究者の父、大学生の娘に若者言葉を学ぶ』(石黒圭・石黒愛)

みなさんにもきっと、学生時代に流行した言葉の記憶があるのではないでしょうか。そのような「若者言葉」を、本書では「学生世代が仲間うちで話すときに使う、その世代特有の表現」と定義しています(「はじめに」より)。他の世代には理解しにくい表現や言い回しも多いですが、その言葉を使うことで仲間の共感を得やすく、会話が弾みます。本書は、「若者言葉」について、国語研の研究者である石黒圭教授と、大学生である娘の石黒愛さんが親子で執筆した本です。

本書は、三姉妹と父親との会話から始まります。娘たちから飛び出す若者言葉に、日本語研究者の父親はいつも興味津々。会話の中で「謎な日本語」が登場するたびに、長女は父親から「よし、例文だ!」と、言葉の意味や使い方について質問攻めにあっています。

たとえば「ぶっちゃけ」「エモい」「ジワる」などは、多くの方が耳にしたことがあり、その意味や用法をなんとなく推測している若者言葉かもしれません。実際、若者の間ではどのような意味をもち、どのような場面で使われている言葉なのでしょうか。本書では、愛さん創作の(でもホントにありそうな)会話と石黒教授による学術的な解説で、今の若者言葉を楽しみながら、まじめに「社会言語学」を学ぶことができます。

愛さんは本の最後に、次のようなメッセージを添えています。
「本書が、コロナ禍の明けた2024年、若者言葉の定点観測となり、10年後、20年後にはまた、若い大学生がさらに新しい魅力的な若者言葉の本を出版してくださるよう次世代にエールを送り、本書を閉じさせていただきます。」(「あとがき」より抜粋)

いつの時代も、若い世代は新しい言葉を生み出していき、言葉は時代とともに変化していくものです。本書はまさに「今」を切り取る若者言葉の魅力を、存分に楽しむことができる一冊となっています。

出版社の紹介文より

言語学者の父が娘たちと繰り広げる“謎な日本語の世界”

「わかりみが深い」「あの発言、メタい」
「ちょっと待った!例文を頼む!」

めくるめく言葉の海に父と娘が飛び込む!!!

(例)旅行に出発する朝のこと
「それブーメランだよ。お父さんだってスーツケースと、それにあの釣り道具。1人じゃ持てない量じゃない…」
「大人はいいんだよ、大人は。それよりブーメラン?投げると戻ってくるあれのことか?」
「出た、大人の理不尽。私だって成人してるんだけど…。そして、ブーメランはそっちのブーメランじゃない!自分の発言が自分に刺さることだよ」
「自分に刺さる?分かるような、分からないような…。よし、例文だ!」
(本書1章より)

(教育評論社のサイトより)

著者 石黒圭・石黒愛
出版社 教育評論社 (出版社の詳細ページへ
出版年月日 2024年11月2日
ISBNコード 978-4-86624-107-4
価格 1,800円+税
目次

1章 若者名詞

「推し」のおかげでがんばれる/を極めた「限界オタク」/「豆腐メンタル」はガラスより脆い/我が身に返る「ブーメラン」/「モブ」だって目立ちたい/「ガチャ」で決まる僕らの運命/立った「フラグ」は回収される/ほかに選択肢がない「一択」/「同担拒否」は拒否られる/まとめて「箱推し」!/「民度」の高低/マジで「神」/高カロリーは「罪の味」/流行ったあとの「死語」の世界
コラム1:同じ日本語でも通じない

2章 若者造語

「うれしさ」から「うれしみ」へ/共感できる「わかりみ!」/世間にはびこる「○○詐欺」/笑いすぎて「腹筋崩壊」/乱れ飛ぶ怪しげな「○○説」/ほめられただけで「大絶賛」/意識高い系の「○○系」/はらはらする「○○ハラ」
コラム2:若者言葉も歳を取る

3章 若者略語

「誰得」は誰も得しない/お疲れの「おつ/乙」/「マジレス」乙です/「イミフ」もまた意味不明/「リアタイ」に生きるぜいたく/推しの「ファンサ」もほどほどに/食欲をそそる恐怖の「飯テロ」
コラム3:代々続くキャンパス言葉

4章 若者形容詞

「やばい」だけでサバイバル/「やばい」から「えぐい」へ/気持ちまで「だるい」とき/「強い」と人目が気にならない/外は寒くても心は「アツい」/読者のみなさん「メタい」の意味わかります?/しみじみと「エモい」/気まずさを生む「気まずっ」
コラム4:気づかない新語

5章 若者動詞

胸に「刺さる」感動/明るく「ディスる」未来/あとから「ジワる」感情/手を合わせて「祈る」/なすすべもなく「詰んだ」/「違くて」は動詞か形容詞か
コラム5:若者言葉の閉鎖性

6章 若者構文

「〇〇しかない」のポジティブ効果/最強の「〇〇しか勝たん!」/「正義構文」は正しいか/ありえない「マジないわ」/「ありよりのなし」は「あり」か「なし」か/父は「ズルすぎ」
コラム6:若者言葉の作り方

7章 若者副詞

「ぶっちゃけ」ないのは人のため/控えめではない「控えめに言って」/プラス思考の「いい意味で」/「なにげに」意外に意味が広い/じわじわ来る「地味に」/秒刻みを生きる「秒で」/とりあえず「とりま」/機会を捉えて「ワンチャン」/「マジ」から「ガチ」へ
コラム7:スマホ時代の若者言葉

8章 若者接続詞・若者感動詞

「てか」次の話題に行くよ/「ゆうて」と言われても/「それな」と「だよね」/「ですです」は丁寧か/「なんか」よく分かんない/「草」しか生えないネット世界/あざとく「ぴえん」と泣いてみる
コラム8:意味の変化と若者言葉

※ 詳細は、出版社の紹介ページをご覧ください。
https://www.kyohyo.co.jp/publication/detail.html?pid=205

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