国語研の窓

第10号(2002年1月1日発行)

ことば・社会・世界:日本語教育支援総合ネットワーク

日本語教育支援総合ネットワーク「日本語道しるべ」

世界中でたくさんの人たちが日本語を学習しています。日本語を教えている人も国内外を問わずたくさんいます(国際交流基金日本語国際センターの平成10年度調査では海外の日本語学習者数200万人強,教師数3万人弱)。

国内外の日本語を教える現場では,「生きた日本語を学習できるもの」「日本人の言語生活が描かれたもの」「現在の日本についての情報」などが求められています。また,学習者のレベルに応じて漢字の量を変えるなどの加工が自由にできる素材やその教育効果などについて,情報交換ができる場も求められています。

そこで,文化庁では,日本語教育に関する情報や資料の集積と流通を促し,簡単な手続きで日本語教育に必要なものを利用し合えるシステムを検討し,平成12年度に「日本語教育支援総合ネットワーク」(通称「日本語道しるべ」)というホームページを開設しました。これは,インターネットを利用して日本語教育に関する情報と資料を提供するネットワーク・システムです。平成13年度からは,日本語教育情報の収集と提供事業の一環として,国立国語研究所に移管,運営されています。

このネットワーク・システムは,「情報の収集と提供のためのネットワーク」と「教材制作の素材の提供と交流のためのネットワーク」で構成されています。「情報の収集と提供のためのネットワーク」には,「国内の日本語教育機関・施設情報」「統計情報,行事情報」「(社)日本語教育学会会員情報」などがあります。「教材制作の素材の提供と交流のためのネットワーク」には,関係機関・施設との連携のもとに収集された教材制作のための素材(テキスト,音声,写真,映像など)があります。素材やその活用について意見交換をする掲示板も準備中です。

このネットワーク・システムは,日本語教育に携わっている方,日本語教育に興味をお持ちの方はどなたでもご利用になれますが,素材の利用など一部のものについては会員登録制を採っております。会員限定のサービスを利用される場合は,ホームページにある会員規約に同意の上,会員登録をしてください。

本ネットワークが多くの方々に利用され,あわせて多くの方々のご協力により内容が充実していくことを期待しております。

(柳澤 好昭)

日本語教育支援総合ネットワーク「日本語道しるべ」

  日本語教育ネットワーク:http://www2.ninjal.ac.jp/nknet/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。