国語研の窓

第24号(2005年7月1日発行)

第25回「ことば」フォーラム報告

第25回「はじめまして,国語研究所です。―調査・研究の“今”―」ならびに施設公開の報告

230名が参加

国立国語研究所が立川市に移転して初めての「ことば」フォーラムが,5月14日(土)13時30分から15時30分まで,国立国語研究所立川新庁舎2階講堂で開催されました。参加者は230名でした。

第25回「はじめまして,国語研究所です。―調査・研究の“今”―」ならびに施設公開の報告01

日本語の現在と将来を考える

フォーラムでは次の3件の講演がありました。

  1. 4月に新たに所長に就任した杉戸清樹は「国立国語研究所の使命」について,言葉の暮らしを見つめ,その進む先を照らし出し,広く示す,ということを中心にすえて説明をしました。言葉の暮らしをきちんと見つめるために,確実で科学的な方法を持つべきで,言葉の暮らしの「半歩後ろから離れない」という姿勢が大切であると述べました。そして,日本語の将来について,確かなよりどころを持って「一歩先を照らし出す」仕事にも取り組みたいと語りました。
  2. 前川喜久雄は「『日本語話し言葉コーパス』とその応用」について,日本は「ニホン」か「ニッポン」かなどの具体例を示しながら解説を行いました。『日本語話し言葉コーパス』は,自然な話し言葉を大量に集め,種々の研究用情報を与えたデータベースです。データの量においても,研究用情報の豊富さにおいても現時点で世界最高の話し言葉データベースとなっています。簡単なデモもまじえながら,『日本語話し言葉コーパス』が言語や音声の研究にどのように使われ,どのような知見をもたらすかについて説明をしました。
  3. 吉岡泰夫は「自治体と住民のコミュニケーションを円滑にする工夫」について,自治体の首長や職員のほかに住民も対象にした全国調査の結果などを紹介しました。自治体と住民が協力して,行政サービスをより良くするには,お互いの「分かりやすい言葉で伝える工夫」や「円滑なコミュニケーションを図る工夫」が大切です。国語研究所では,このような言葉やコミュニケーションの工夫について,住民と自治体の双方を対象にした全国調査を実施しました。その結果をいろいろな図などを使って具体的に示しました。

フォーラムの後半部では,参加者との質疑応答の時間が15分間ほどありました。日本語に対する関心の高さをうかがわせる質問がたくさん寄せられ,講演者が質問への回答と解説を行いました。

施設の公開も

続いて,15時30分から17時まで,研究所内の施設や研究成果を公開する「施設公開」が行われました。図書館をはじめとする施設のほか,研究員によるパネルを利用した研究活動の紹介がありました。例えば,外来語の言い換え提案についてのパネルの前には,たくさんの人が集まり,研究員と直接交流する場面が見られました。

(横山 詔一)

第25回「はじめまして,国語研究所です。―調査・研究の“今”―」ならびに施設公開の報告02

  第25回「ことば」フォーラム:http://www.kokken.go.jp/event/forum/25/

『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。