2021年4月17日、豊橋技術科学大学機械工学系の吉永司 助教、飯田明由 教授と国立国語研究所の前川喜久雄 教授(音声言語研究領域)からなる研究チームの研究成果が報道されました。リアルタイムMRIとスーパーコンピューターを用いた最新の研究成果が、わかりやすく解説されています。
日本語の「ヒ」や「シ」は何気なく会話に用いている発音ですが、東京や東北の広い地域において、「東」を「ヒガシ」ではなく「シガシ」と言ったり、「髭」を「ヒゲ」ではなく「シゲ」と発音することが知られています。また、「7月」を「シチガツ」ではなく「ヒチガツ」と発音する人は日本中で見られるようです。
この2つの発音が混同してしまう問題は広く知られており、その原因は発音するときの舌の位置が似ているためだと言われていましたが、具体的にどのように音を区別して発音しているのかは明らかではありませんでした。今回の研究は、最新技術でこの謎に迫ったものです。
今回の研究について、前川教授にわかりやすくまとめてもらいました。
今回の論文は、アメリカ音響学会誌 “Journal of the Acoustical Society of America” にて公開されています(英文)。
掲載サイト | 「FNNプライムオンライン」(株式会社フジテレビジョン) |
URL | https://www.fnn.jp/articles/-/170094 |
登場する 研究者 |
前川喜久雄 (音声言語研究領域) |
国立国語研究所では、記事に登場したリアルタイム MRI動画撮像技術を用いて観測したデータを試験公開しています。
また、国立国語研究所のYouTube公式チャンネルでは、所内の研究者による講義動画を公開しています。前川教授の講義「音声学入門」でも、リアルタイムMRIの映像を見ることができますよ。この研究に興味をひかれた方はぜひリンク先をご覧ください。