ことばの波止場

Vol. 11 (2022年3月発行)

特集 : 北米における日本関連在外資料調査研究・活用

ネットワーク型基幹研究プロジェクト
特集 : ②そのほか基幹プロジェクト・基礎研究

19世紀末以降、南北米に移民として日本から多くの人々が渡っていきました。そうした人たちの生活の中で生まれたさまざまな資料が現地の博物館、資料館、文化センター、大学などに保管されています。それらの資料は現地の日系社会の生活や歴史を知る上でたいへん重要なものです。ただ、現地では日本語の資料を整備するスタッフが不足するなどして、特に音声・映像資料の中には劣化や廃棄リスクが高まっているものが数多く存在します。このプロジェクトでは、これらのデータを保存するとともに、そこに記録された内容をもとに、これまでの日系社会の社会生活史であまり話題にされてこなかったテーマについて調査研究を行ったり、展示やシンポジウムを開催したりしています。

展示のテープカットをする関係者
「ハワイ出身の沖縄移民二世比嘉トーマス太郎」の展示
(沖縄県北中城村)
沖縄の言葉でガマに隠れている住民に投降を呼びかけ、多くの命を救ったことが沖縄とハワイでは長く語り継がれています。

(朝日祥之/言語変異研究領域・准教授)