第40号(2009年7月1日発行)
国立国語研究所には,昭和23年の創立以来の日本語および日本人の言語生活ならびに日本語教育についての調査研究,事業によって得られた貴重な資料や,研究情報などが蓄積されています。「日本語情報資料館」は研究所が蓄積してきた各種の情報や資料を電子化し,インターネットを通じて公開するというものです。
本年3月にシステムの更新を実施しました。まず,情報が見やすく,辿りやすくなるようにページの構成や表示の仕方を改訂しました。また,日本語情報資料館には,電子化した研究報告書や資料などの蓄積,検索のためのデータベースがありますが,今回,このデータベースの基本となるシステムとして DSpaceを導入しました。これは世界的にも広く利用され,国内でも大学等で普及が進んで来ているオープンソースのソフトウェアです。電子化した資料を蓄積,公開,共有していく上での必要な機能を備え,今後の発展性もあるシステムです。
日本語情報資料館の内容は,文献目録,電子化報告,調査資料・データ,日本語教育ネットワーク等に分かれます。
文献目録には,日本語・日本語教育に関する研究文献目録データベースや新聞記事目録データベース,研究所の蔵書検索等があります。
電子化報告書としては,研究所が創立以来刊行してきた研究報告書の本文の画像を順次電子化し,PDFとして公開しています。
また,『日本言語地図』(方言地図)の地図画像やデータ,日本語の発音のX線映画を始め,調査資料・データの電子化と公開も進めています。
日本語情報資料館は,研究所の研究成果や収集した情報を日本語に関する知的・文化的な資産として蓄積し,将来に継承するとともに,これらを公開し,学術的,社会的に貢献することを意図するものです。ぜひ,ご利用ください。
(熊谷 康雄,井上 文子)
http://www.kokken.go.jp/siryokan/
『国語研の窓』は1999年~2009年に発行された広報誌です。記事内のデータやURLは全て発行当時のものです。