Vol. 1 (創刊号 2017年3月発行)
書物には、書かれている内容のほか、書物の作り方、書物の大きさ、使われている紙、書かれている文字などにそれぞれ意味があります。そして、それらから様々な情報を読み取ることができます。
本プロジェクトは、書物をキーワードに、文学(国文学研究資料館)、歴史(国立歴史民俗資料館)、文化(国際日本文化研究センター)、言語・文字の多方面から研究者が参加し、「総合書物学」という新たな研究分野の構築をめざしています。
国立国語研究所では、言語・文字から見た書物という観点で、研究を進めています。具体的には言語単位(単語、文節、句、文など)と表記・書記単位(仮名字体、漢字字体、連綿文字列、句読点など)の情報を、日本語歴史コーパスに加えます。そして、書物と言語・文字との歴史的な関わりについて、データに基づく研究を展開します。
(高田 智和/言語変化研究領域 准教授)