2020年6月22日の読売新聞 西部本社版に、国立国語研究所の山田真寛 准教授(言語変異研究領域)の記事が掲載されました。
鹿児島県の奄美群島から沖縄県の八重山諸島までのことば「琉球諸語」。
この「ことば」は今、標準化や同化が進んでおり、このまま何もしなければ近い将来、消滅してしまう危機にあるそうです。
そこで山田先生を中心としたプロジェクト「言語復興の港」では琉球諸語の保存と継承を目指し、島ことばの『絵本』を出版する計画を進めています。絵本はこどもが興味を持ちやすく親子一緒の時間も過ごせるため、自然と島ことばに親しんでいけるツールなのだそうです。2019年末には絵本出版に向けてのクラウドファンディングが行われ、たくさんの方のご支援をいただいたおかげで、計画は大きく前進していきました。今回の記事では、プロジェクトが今秋の出版を目指して進んでいく様子が詳しく紹介されています。
絵本は沖永良部島、与那国島、多良間島、竹富島の民話や昔話を題材に取り、それぞれ1 冊ずつ出版されます。島ことばには標準語、英語を併記し、巻末には詳しいことばの解説が掲載されます(A4判、約32ページ、各1000部ずつ、予価1,600円でひつじ書房より出版予定)。またインターネット上では、朗読とイラストを同時に楽しめる動画、逐語訳付きの物語全文や朗読音声データも公開されます。
記事には、国語研のイベント「わどぅまいしまむにプロジェクト2019報告会」の発表者となった沖永良部島・和泊町の田中美保子さんも登場し、研究者と島のみなさんが一体となって絵本ができあがる様子が取材されています。
現在「言語復興の港」プロジェクトでは、ひつじ書房の編集者の方とやり取りを進めながら、2020年秋の出版を目指して絵本の仕上げ作業を行っています。また出版時に合わせて公開される朗読とイラストを合わせて楽しめる動画は、試作版がウェブで実施される『ニホンゴ探検』で公開される予定なので、こちらにもぜひお越しください。
掲載紙 | 『読売新聞』西部本社版(2020年6月22日 夕刊) |
URL | The Japan News by The Yomiuri Shinbun(英語版)(the-japan-news.com/news/article/0006633781) |
登場する 研究者 |
山田真寛 (言語変異研究領域) |